COLUMN
27 Apr 2024
利休梅の由来
ガーデンラボ本社ビルの5階にはテラスがあります。普段、社員は休憩したり、ランチでお弁当を食べたりする際にテラスを利用します。
お客様をお迎えする会議室の窓からもしっかりと見える中心に据えられたシンボルツリーは、利休梅です。別名で、バイカシモツケ、ウメザキウツギ、ウツギモドキなどもありますが、一般には”リキュウバイ”と呼ばれることが多いです。
桜とほぼ同じ時期に満開になり、真っ白な花吹雪はまるで桜のようですが、その白さゆえにまた桜と異なった清らかさが漂います。名前に「梅」という文字がありますが、桜も梅もバラ科のヤマザクラ属に属するため、大まかには同じ種類と言えるでしょう。
原産地は中国で、明治末期に日本へ渡来したとされています。利休梅という名前の由来はいくつかあるそうで、その名前からして「千利休が愛した花なのでしょう?」と思われがちですが、千利休が生まれたのは、約500年前でまだ日本に存在しない頃になります。
有力な説は、「花が咲く時期がちょうど利休忌の頃と重なるため」だそうです。
1591年2月28日に豊臣秀吉の命により切腹し、初命日は、1カ月後の3月28日頃になります。茶聖の精神を受け継ぐ3つの千家流派(表千家、裏千家、武者小路千家)では、利休忌に追善の茶会を催すそうです。ちょうどその頃に、茶会の庭で美しく咲いているため、利休梅という名で親しまれ、満開になっても派手さを抑えた清々しい雰囲気と、趣のある枝ぶりゆえに茶人に愛され、茶花として広く普及しました。
5階のテラスという過酷な環境でも、今年も満開に美しく咲き誇ってくれた利休梅。
私たちも利休梅のように、清々しくも強く、長く愛される存在でありたいものです。