COLUMN
15 Jun 2024
植物のポンプ力
もうすぐ梅雨の季節です。
「梅雨の季節が好きか」を聞いたアンケートでは「いいえ」が83.6%。多くの人が憂鬱に感じているのですね。
植物にとっては、命の源泉である雨が天から降ってくるので喜んでいるように感じることがありますが、すべてがそうだというわけではありません。多くの水を必要としない多肉植物などは雨除け対策をしないと根腐れを起こして枯れてしまう事もあります。
日本は豊かな水源を誇ると言われていますが、世界的に見ると、日本の年間降水量は世界平均の約1.4倍で、降水日数は世界13位だそうです。雨が川となり海へ流れ、土壌に浸透した水によって森や林、庭木が育まれているのですね。やはり、梅雨は恵みをもたらす有難い季節です。
ところで、小さな苗から成長する樹木が、平然と水を吸い上げる力を持つことに驚いたことはありませんか。人間のストロー程度の管で吸い上げる水は10mが限界だそうですが、30mの木はいったいどんなポンプ力を持っているのかと、気になりました。
植物は根から水を吸い上げ、道管や仮道管と呼ばれる管を通して体を巡らせています。葉っぱから蒸散する水分が、吸い上げる力=圧力を発生させているようです。
その圧力は、なんと車の重さに匹敵するほど強いという。驚くべき仕組みです!
梅雨の時期、樹々のポンプ力を思い出しながら植物を眺めてみると、新たな庭の楽しみ方が見つかるかもしれません。