COLUMN

06 Dec 2024

紅葉の不思議

今年は例年よりも遅く、紅葉の季節がやってきました。

温かい風が冷たい風に変わり、ようやく秋を感じる頃となりましたが、木々の葉は緑や黄色が多く、鮮やかな赤色に染まる様子はなかなか見られません。

なぜ、紅葉は遅れているのでしょうか。それは、気温の上昇により、植物の成長サイクルが変化し、紅葉の時期が遅れること原因の一つと考えられています。

 

葉が赤く色づくメカニズムは、とても興味深いものです。秋になると、気温が低下し、日照時間が短くなることで、植物は冬を迎える準備を始めます。葉の付け根には「離層」と呼ばれるバリアができ、葉で作られた養分が幹に送られなくなります。この時、葉の中の緑色の色素(クロロフィル)が分解され、代わりに黄色の色素(カロテノイド)が現れます。これが、イチョウの葉が黄色くなる理由です。

一方、赤くなる葉は、葉の中に蓄えられた糖分から、赤い色素(アントシアニン)が作られます。このアントシアニンの生成には、気温の低下や紫外線などが影響を与えます。そのため、同じ種類の木でも、場所やその年の気候条件によって、紅葉のタイミングや色合いが異なるのだそうです。

 

このように、紅葉は、気温、日照時間、水分など、様々な環境要因が複雑に絡み合って起こる現象だそうです。植物の巧みな仕組みを想像しながら、紅葉から冬へ季節の変化を感じるのも、趣があるのではないかと思います。

 

<引用>

ウェザーニュース「なぜ葉の色が変わるの? 紅葉と黄葉の違いは? 紅葉の不思議」https://weathernews.jp/s/topics/202410/310205/

 

TOKK2023年11月号「なぜ紅葉する?日本の紅葉は世界一美しい?科学で紐解く紅葉」https://tokk-hankyu.jp/articles/feature/73379/

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