COLUMN
27 Sep 2024
熟していく庭
目新しい商品は刺激的。
一瞬にして私たちの好奇心や欲望を満たし楽しませる。モノは劣化し壊れてゆき、生み出されては消費される。
植物は生きている。
時間をかけてゆっくりと成長する植物の長寿は何千年。気が遠くなる時をかけて育つ才能を秘めている。
種が落ちたその場所から、身動きをせずどんな環境にも順応して生きようとする。 その上個性を出して「よく生きよう」と色や姿を変化させる。 私たちは四季のある国に生まれ、植物たちの静かな「変身」をたくさん愛でることができる。
日々の暮らしの中でそのような舞台をみることができる庭。
植物を観察することで「手を入れる方法」を植物から学ぶ。 風通しがよくなるよう鋏をいれると、心地よかったらまた静かな変身を魅せて応えてくれる。こんなやりとりを繰り返し、経年美化する「熟した庭」を造りだすのだろうと思う。