COLUMN
19 Feb 2024
plants. plant no,11 〜特別な場所〜
私は信心深い方ではないのですが、家族で毎年のように訪れる場所があります。そこは隅々まで掃き清められ、長い歴史を乗り越えた樹々に囲まれた空間。
私にとっては、巨木の枝葉から覗く空の色、太陽の光を受け、自然の営みによって生かされていることを実感できる場所。 神聖な場所であることはもちろんなのですが、自分の心に何かを宿してもらえるような空間なのです。 ここに毎年訪れることで、家族の成長を実感し、日頃から接している木々に感謝とお礼が伝えられる場になっています。
また、その周辺の地域で少し気になる文化に気づきました。 訪れる度、玄関先に季節を問わずしめ縄が飾ってあるのを目にしました。
私の育った場所では、しめ縄は年末に飾り付けて年が明けた15日頃に取り外すのが一般的でした。 諸説あるのかもしれませんが、この地域では、蘇民家からの計らいへの恩として須佐之男命(スサノオノミコト)が記した札と茅の輪を門口に掛けたことで、子孫代々病を免れ代々栄えたという言い伝えから一年中しめ縄を飾るようになったようです。
しめ縄の飾りはダイダイ、ウラジロ、ユズリハ、紙垂が一般的ですが、この地域のしめ縄にはその他に木札が飾りとして付けられており、それぞれの木札には「先客万来」や「商売繁盛」、「蘇民将来子孫家門」、「笑門」と記されています。 しめ縄は、神様をお迎えする神聖な場所を表すしるしとあります。 我が家も笑顔が絶えず神様をお迎えできる場所であることを願って20年近く「笑門」木札のしめ縄を玄関に 一年中飾っています。 私にとっては、 伊勢の『神宮』はあらゆる意味を持った特別な場所になっています。